シベリアン・ハスキー【大型犬】

シベリアン・ハスキーについての「特徴」や「飼う時のポイント」などをご紹介!
ワンダフルライフでは、これから犬を飼ってみたいとお考えの方も、既に愛犬と暮らされている方にも楽しんでもらえるように日々、犬種情報の更新に努めてまいります!

シベリアン・ハスキー

シベリアン・ハスキー

   
英語表記 Siberian Husky
原産国 ロシア(シベリア)
体高 オス:53〜60cm メス:51〜56cm
体重 オス:20~27kg メス:16~23kg程度

シベリアン・ハスキーの外見と特徴

シベリアン・ハスキーといえば、「狼のような精悍な顔つきをした犬ぞりレースで活躍する犬種」というイメージが強いと思います。
ハスキーの愛称でも知られるこの犬は、力強く、長距離を速度を落とさずに走り続けることができるマラソン選手のようなタフな犬種です。

身体的な特徴は、体高より体長が長めで、全体的に筋肉質な強い肉体を持っています。
それでいて俊敏な動きも得意で四肢を滑らすように走り、非常に脚が速い犬でもあります。
この優れた身体能力を生かして、古くから現在に至るまで北極圏の国々では家族の一員として、そして大切な財産として人間と共存してきました。

毛質は柔らかく密集した下毛と、まっすぐで滑らかに伸びた上毛とのダブルコートになっています。
この被毛によって体温を逃さないようになっているため寒さには非常に強いですが、暑さにはとても弱い犬種でもあります。

日本においては、90年代に佐々木倫子作の漫画『動物のお医者さん』の大ヒットで知名度が一気に上がり、バブル景気の世相を追い風に飼育者が激増し、「ハスキー犬ブーム」として社会現象にな人気を得ました。
飼育の難しさから以前ほどの人気はありませんが、その精悍なルックスと、予想外に人なっつこい性格から、今でも北極圏出身の犬種としては最も人気のある犬種となっています。

シベリアン・ハスキーの歴史

シベリアン・ハスキーのルーツははっきりとは判明していませんが、狼に近い犬として知られる「スピッツ」の血を引いていると考えられています。
極東北極圏を中心にトナカイ遊牧や狩猟を行っていた「チュクチ族」が、古くから犬ソリを牽引する犬として重用しており、彼らの手によって何百年という時間をかけて改良されたと言われています。
「ハスキー」という名前も、この地域を訪れた探険家や毛皮交易を行う北米商人らが、彼らを「ハスキー」と呼称していたことから、その用務犬として用いられていた犬達もハスキーと呼ばれるようになったことに由来します。

そんなシベリアン・ハスキーが世界的に広まるきっかけには2つの大きな出来事がありました。

1つ目の事件が、アメリカでのドッグレースでの記録的な強さでした。
ゴールドラッシュ時代、アメリカでは犬を競わせるドッグレースが大変人気のある娯楽でした。
特に人気の高かったのが、アラスカの町ノームからキャンドルまでの約653kmを走る「アラスカ賞金レース」です。
1909年、このレースに初めてチュクチ族のハスキー犬チームがシベリアから参加することになりました。
当時ハスキーはドッグレースにおいて有力な犬とは見られていませんでしたが、蓋を開けてみると、シベリアン・ハスキーを使用したチームが上位を独占!シベリアン・ハスキーはまさにこのレースで「無敵」の成績を収めたのでした。

2つ目の出来事は、1925年にはアラスカでジフテリアが猛威を振るった時、シベリアン・ハスキーの救助犬チームが、人命を救うために544kmもの距離を走り血清を運び、多くの人命を救いました。
この時の名誉を称えたハスキー犬の彫像が、今もニューヨークのセントラル・パークに建てられています。
これらの出来事をきっかけにシベリアン・ハスキーの名は多くの人々に認知されていきます。

その後も第二次世界大戦時にはアメリカ軍の捜索、救助犬として大いに活躍し、軍用犬、レース犬としての地位を不動のものとしました。
現在に至るまでレース犬としてはもちろん、家庭犬としても愛され続けています。

シベリアン・ハスキーの性格や気質

シベリアン・ハスキーの性格は狼のような精悍でクールな顔立ちからは想像もできないほど遊び好きで、人間に対して友好的。
噛み付いたりは滅多にしません。社交的で知性が高く、飼主以外の人や他の犬たちとも上手に付き合います。
警戒心は強めですが、一旦心を開くとなつきやすく番犬には向きません。
また、独立心が強い部分があり飼主の命令通りに動くことは難しく、しつけは繰り返し根気よく行う必要があります。

また、幼少期は非常にやんちゃで冒険心の強いわんぱく小僧です。
しつけを怠るとそのまま成長してしまい、興味のあるものを追いかけて飼い主を引きづったり、勝手に脱走したりという問題犬になりやすいです。
ソリを引くほどのパワーですから、手の着けれない犬になることもしばしばあります。
また、野生の感覚が強く残っている犬でもあり、遠吠えや地面に穴を掘ってものを埋める、なんでも口に入れるという行動をとる場合もあります。

このように、わんぱくで冒険心の強い性格と有り余るパワーをうまくしつけないといけないので、飼育が難しい犬種といえるでしょう。

シベリアン・ハスキーを賃貸物件で生育する時の注意点

シベリアン・ハスキーは屋内でも、屋外でも飼育可能な犬種です。
むしろ北極圏出身で暑さに弱いため、地域によっては屋内で飼う方がいい場合も多いです。
しかし、成犬になると非常に大きくなる犬種ですから、居住空間が広いにこしたことはありません。
賃貸物件ではかなり大きめの物件でないと飼育は難しく、ペット可の物件でもNGの場合があるため、大家さんに飼育可能な犬種かどうかの確認は必須と言えます。

また、前述のように野生の本能で遠吠えや無駄吠えをすることがある犬種です。
賃貸マンションやアパートなどの共同住宅では、鳴き声によるトラブルになる可能性があります。
小さい頃から吠えないようにしつけをしたり、場合によっては声帯の手術をする方もいるようです。

シベリアン・ハスキーは犬ソリを引いて走るほどスタミナに溢れた犬ですから運動は大好きです。
そのため、毎日、充分な量の散歩が必要で、運動量が足りないとストレスを感じやすく病気の要因にもなります。
また、夏場など高温になる季節は暑さに弱いので、夜間涼しくなってから散歩に連れて行きましょう。
室内でもエアコンを使って涼しい温度を保つなどの工夫が必要です。

さらに、シベリアン・ハスキーは、毛量が豊富なので抜け毛も多い犬種です。
定期的なブラッシングはもちろん、屋内で買う場合は抜け毛の対策をとりましょう。

このように、シベリアン・ハスキーは飼育の手間やしつけの難しさから、ペット初心者の方には飼いづらい犬種と言えるかもしれません。
もともと温暖な日本の気温はシベリアン・ハスキーには適しておらず寿命も平均12年程度とやや短めです。
シベリアン・ハスキーを飼育する場合は、体質や特性、遺伝による本能などもよく理解し、それに合った環境で少しでも快適に暮らせるよう責任感を持って育てましょう。

シベリアン・ハスキーを飼う時のポイント

  • 自立心が強く、しつけの難度は高め犬種。根気よく繰り返ししつけましょう
  • 暑さに非常に弱いです。夏場の日中は外出は控えて、室内の温度管理にも気配りを
  • 散歩は毎日欠かさずに!運動不足は万病の元です。

■大型犬の犬種一覧

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