バセット・ハウンドについての「特徴」や「飼う時のポイント」などをご紹介!
ワンダフルライフでは、これから犬を飼ってみたいとお考えの方も、既に愛犬と暮らされている方にも楽しんでもらえるように日々、犬種情報の更新に努めてまいります!
英語表記 | Basset Hound |
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原産国 | フランス |
体高 | オス:36cm以下 メス:36cm以下 |
体重 | オス:18~27kg メス:18~27kg |
今回は長い耳に胴長短足の体型が特徴的な犬種「バセット・ハウンド」をご紹介します。
近年日本でも人気が出てきているバセット・ハウンドですが、ハウンド犬の名前が示すように元は優秀な狩猟犬だった犬種です。
今回はそんなバセット・ハウンドの歴史、性格、賃貸物件で飼育する際のしつけ方、気をつける病気まで詳しくご紹介します。
【外見上の特徴】
バセット・ハウンドはフランス生まれの狩猟犬で、もともとはキツネや野うさぎなどの小動物をハンティングする際に活躍した犬種です。
小柄な割に非常に骨太でタフな体をしており、分厚く生え揃った被毛とシワの多い顔も狩りの時に身体を守るのに有用だったと考えられています。
毛色などからビーグルにも似ているとも言われますが、がっしりとした胴体に短い足のアンバランスさ、ひょうきんで愛嬌のある顔立ちはバセット・ハウンドならではの特徴でしょう。
このような小柄で短足の犬種は、往々にして鼻口部が長く大きく成長しやすく、すぐれた嗅覚を持っていることが多いです。
バセット・ハウンドも例に漏れず非常に鋭い嗅覚をしており、鼻の良さは犬界でも1,2を争うほどです。この嗅覚は穴熊やウサギの巣を探し当てるのに大変重宝されたそうです。
長い耳もあえて視界を狭くすることで、嗅覚により集中できることを狙ったものとも言われています。
狩猟犬らしく飼い主に忠実で、賢い犬種であり、現在は家庭犬として飼育されることが殆どです。
短足のため足はとても遅く、トテトテと歩く姿は多くの人から愛されており、アメリカではショードッグとしても人気があります。
バセット・ハウンドの起源については、16世紀後半、フランスの修道僧が究極の狩猟犬と呼ばれるブラッドハウンドなどを元に、背を低く作出した犬種ではないかと考えられています。
バセットとはフランス語の「短い」を意味する「bas」に由来するという説が一般的で、日本語にすると「背の低い狩猟犬」といったところでしょう。
フランス、ベルギーなどの王侯貴族の間で足が遅く、歩いてのんびりと追いかけながら狩猟をするのに最適な犬種として庇護を受けたとは言われているのですが、いつ頃から意図的に交配されて、現在のバセット・ハウンドとなったのかは、正確にわかっていません。
フランス革命後に、庶民の間でも狩りが広まり、歩いて追うことができて、嗅覚にも優れた骨太な狩猟犬として多くの猟師の間にバセット・ハウンドは普及しました。
そして1874年に、イギリスの「バセット・ハウンドの父」と呼ばれているエヴェレット・ミレイ卿によりイギリスにもバセット・ハウンドが輸入されます。ミレイ卿は「モデル」(Model)という名のバセット・ハウンドをフランスから輸入して計画繁殖を開始し、翌年にはドッグショーデビューを飾っています。
1880年代に入ると、より人気は増し、アレクサンドラ女王の目にとまって王室の犬舎に迎えられるほどの犬種となり、アメリカにも輸入される人気犬となっていきます。
ところで、バセット・ハウンドは「刑事コロンボ」、「ジョージ・ワシントン」、「マリリン・モンロー」といった世界的な著名人やセレブの愛犬としても有名な犬種です。
アメリカではショードッグの犬種として大変人気のある犬種で、日本ではまだまだマイナーな犬種ですが、2014年の人気順位は59位とじわじわと人気が出ています。
【性格の特徴】
バセット・ハウンドの性格はとにかくマイペースで穏やかです。
温厚でのんきなので、怒ったりすることは滅多になく、飼い主に献身的に尽くし、その家族にも危害を加えないようにします。
反面頑固な部分があり、特に臭いに対する執着が非常に強く、自分が気になった臭いがあると追いかける習性が強く残っているため、散歩の時などに手を焼くことも少なくありません。本能による部分なのでしっかりとしたしつけが必要ですが、頑固なので根気が必要です。
興味のある匂いを感じた特には、長く太めな声な特徴ある声で吠えることもあります。
基本的には飼いやすい犬種ですが、しつけには根気が必要であるため、飽きっぽい人には向かない犬種と言えます。
【賃貸物件で生育する時の注意点】
バセット・ハウンドは元猟犬ですが、あまり運動が好きではありません。気になる臭いがないとほとんど動かず、四六時中のんびりしています。
そのため、飼い主の近くに居られる屋内飼育を好みます。
吠えグセがある個体もいますが、基本的にはおとなしく、抜け毛も少なくブラッシングも最低限で大丈夫です。
賃貸でも飼育しやすい犬種だと思います。
バセットハウンドの注意点は、その運動嫌いからくる「肥満」です。
極端に脚が短いので、体重が増加すると背骨に負担が大きくかかり、椎間板ヘルニアになりやすい犬種です。
散歩に出ても、地面に鼻を押し付けてクンクン匂いを嗅いで動かないことが多いと思いますので、飼い主さんから積極的に運動させるように意識しましょう。時間的には30分程度を2回行えば十分です。
またバセット・ハウンドは口の締まりが緩いのでよだれが多いです。
よだれで建物や家具をべちょべちょにされる...なんてこともあるかもしれません。
こればかりは身体の構造上仕方ありませんので、この犬の特徴として許容するしかないでしょう。
バセット・ハウンドは特徴的な顔立ちや体つきのために先天的になりやすい病気が多いです。
垂れた長い耳は外耳炎になりやすく、目の下の皮膚が垂れ下がっていて、粘膜が露出しているので、眼疾患にもなりやすいです。
また前述のように太りすぎによる「椎間板ヘルニア」のリスクも高い犬種です。
頭部や胴体の重みを支える脊椎のクッションの役割をする「椎間板」への負担が大きくなり損傷することによって起こります。
椎間板が損傷すると、椎間板内部の髄核(ずいかく:ゲル状の物質のこと)が飛び出して脊髄や脊髄からでる神経を圧迫するようになり、麻痺や痛みの原因となります。
バセット・ハウンドやダックスフンドのような胴長短足の犬種は体の構造上、この病気のリスクがとても高いです。
このようなことが椎間板に過度の負担をかける要因になりやすいです。とにかく肥満には注意しましょう。
こんな症状が見られる場合は、椎間板ヘルニアの場合が多いです。日々の些細な変化に気を配りましょう。
この病気になってしまうと、激痛や麻痺により歩行を嫌がります。最悪の場合は麻痺の進行で立ち上がることすらできなくなります。
治療は初期の段階であれば、投薬と食事制限が主ですが、悪化すると手術の必要が出てきます。また術後も麻痺の残りや再発といったリスクがあります。
ここでは主に椎間板ヘルニアについて書きましたが、前述のように耳や目の病気のリスクも高いです。
定期的な耳掃除を忘れず、まぶたや目の状態もチェックしましょう。異常な匂いの耳垢や、粘質な目ヤニが出る場合は獣医さんに診せましょう!
ワンダフルライフでは、成体時の目安体重が11Kg〜24Kgまでの犬種を「中型犬」としてご紹介しています。