イングリッシュ・コッカー・スパニエル【中型犬】

イングリッシュ・コッカー・スパニエルについての「特徴」や「飼う時のポイント」などをご紹介!
ワンダフルライフでは、これから犬を飼ってみたいとお考えの方も、既に愛犬と暮らされている方にも楽しんでもらえるように日々、犬種情報の更新に努めてまいります!

イングリッシュ・コッカー・スパニエル

イングリッシュ・コッカー・スパニエル

   
英語表記 English Cocker Spaniel
原産国 イギリス
体高 オス:41〜43cm メス:38〜41cm
体重 オス:13~15kg メス:11~13kg

イングリッシュ・コッカー・スパニエルの外見と特徴

イングリッシュ・コッカー・スパニエルは中型犬の中でもペットとして人気の犬種ですが、かつてはイギリスで鳥猟犬として活躍していた犬種です。
「コッカー」の語源となったのは「コック」という鳥の名前からです。

藪の間をやすやすと潜り抜けられる程度に小さく、大型の獲物でも運べる程度に大きくという鳥猟には最適のサイズをしています。
獲物を運びやすいように口がやや広めで、体高が体長よりわずかに高くなっています。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルは活力のある力強い足取りで走り回る運動量の豊富な犬種です。
同じルーツを持つアメリカン・コッカー・スパニエルに比べてやや体が大きく、顔が細長いことが特徴的です。

外見の特徴として、垂れた長い耳と優しくも威厳のある顔立ちでしょう。
被毛は全体的に短めでゆるいウェーブがかったとても柔らかい毛質で、先端に体を防ぐ飾り毛もあります。
毛の色は非常に豊富で約20種類程度存在すると言われています。

イングリッシュ・コッカー・スパニエルの歴史

「スパニエル」と名のつく犬種は犬の中でも大きなグループの一つです。
14世紀頃にスペインからやってきた水、陸ともに優秀な猟性能を持つ犬種で、その後スパニエル犬は得意とする狩猟の種類などによって細分化されていきました。

イングリッシュ・コッカー・スパニエルは、陸地の猟で使われていたスパニエル種の中でもかなり小型の「ランド・スパニエル」から枝分かれしていき、ウェールズ地方で現在の犬種が確立したと考えられています。
草むらで、山鴫をフラッシング(飛び立たせる)したり、落ちた獲物を回収する際の犬として重宝されました。

このように、コッカー・スパニエルはイギリスで高い人気を誇り、やがてアメリカにも渡ります。
そしてアメリカではイギリスのコッカー・スパニエルとは違うタイプの犬種へとブリーダーたちによって変えられていきます。
狩猟向きで中型サイズのイングリッシュ・コッカー・スパニエルに対し、より家庭犬向きで小型のアメリカのコッカー・スパニエルを目指したのです。

1936年まではイギリス産とアメリカ産のコッカー・スパニエルは同犬種とみなされていましたが、アメリカで「イングリッシュ・コッカー・スパニエル・クラブ」が設立されたと同時に、イギリス産のイングリッシュ・コッカー・スパニエルは異種とみなされました。
さらに、このクラブはアメリカ産とイギリス産の交配を好まなかったので、1946年にはイングリッシュ・コッカー・スパニエルは正式に別の犬種と定められることになりました。

犬種が分けられてからアメリカン・コッカー・スパニエルはイングリッシュ・コッカー・スパニエルに勝るとも劣らない人気を獲得しましたが、これはアメリカのみの評価でした。
日本をはじめその他の国々では、イングリッシュ・コッカー・スパニエルの方が人気が上回っており、「コッカー・スパニエル」といえばイングリッシュ・コッカー・スパニエルを指す場合が多いです。

イングリッシュ・コッカー・スパニエルの性格や気質

イングリッシュ・コッカー・スパニエルは猟犬としての性質を色濃く残す犬種です。
性格は陽気で好奇心が強く、飼い主に従順で献身的です。
愛情深く聞き分けが良いのでしつけもしやすく家庭犬として多くの人から愛されています。

そんな性格から、お年寄りやお子様ともうまく過ごせるタイプの犬種です。
アメリカン・コッカー・スパニエルと基本的に気質は似ていますが、より落ち着いており、上品な性格をしているといえます。

しつけの難度は低めの犬種ですが、感受性が強くスパルタすぎたり、暴力を振るったりなどの怖い思いをさせるとトラウマになってしまい、拗ねることがあります。
また、寂しがり屋なので一人でいるのが苦手で、孤独を感じると吠えてアピールしようとすることもしばしばあります。

イングリッシュ・コッカー・スパニエルを賃貸物件で生育する時の注意点

イングリッシュ・コッカー・スパニエルは寒さにあまり強い犬ではありません。また、性格面を考慮しても屋内で飼育することが望ましいでしょう。
中型犬の中ではサイズも小さい部類なので、賃貸物件で飼育しているも多くいらっしゃいます。

賃貸で気をつけなくてはならないポイントは、「吠え癖」「被毛の管理」「散歩量」の3つでしょう。

前述のようにイングリッシュ・コッカー・スパニエルは寂しいと、飼主にかまってほしくて吠える場合も少なくありません。
また記憶力が高く感受性が豊かなので、「前は褒めてくれたのに同じことで今日は怒られた...」と一貫性のないしつけをしてしまうと混乱して吠えることもあります。
なるべく一緒にいる時間を増やし、叱るときは毅然とした態度で一貫性を持って接しましょう。

被毛については、美しいウェーブヘアの手入れには、毎日のブラッシングが欠かせません。
特に換毛期にはかなりの毛が抜けるため、抜け毛の対策は忘れないようにしましょう。
また、運動の後はゴミが絡まって毛玉ができやすい犬種でもため、2週間ごとにシャンプーをしてあげましょう。
2カ月に1回ぐらいは頭部、耳、足、尾の辺りをカットしてあげるとよいでしょう。
特に耳の病気をしやすい犬種なので耳周りのケアすることが大切です。

最後に散歩の量についてです。
元狩猟犬ということもあり、このサイズの犬種としては散歩の量が必要になります。
1日に朝、夕の2回に分けて30分程度の散歩を必ず行いましょう。
また、時々ドッグランに連れて行ってあげるなど、広いスペースを全力走り回れる環境を作ってあげましょう。
ただし、この犬種は身体が出来上がるまで6か月程度かかるため、成長期の過剰運動は発育に悪影響を及ぼすので本格的な長距離の散歩やハードな運動は1歳頃から行うようにしてあげてください。
また、足裏が弱いので夏場の炎天下のアスファルトの上は歩かせないようにしましょう。

イングリッシュ・コッカー・スパニエルを飼う時のポイント

  • しつけの難度は低めですが、一貫性のあるしつけをしましょう。手をあげるのはNG
  • 被毛を美しく保つのに手間がかかる犬種です。ブラッシングとトリミングは定期的に。特に耳周りの毛は注意しましょう。
  • 散歩の量が必要です。毎日責任感を持って散歩を欠かさないように気をつけましょう。

中型犬の犬種一覧

ワンダフルライフでは、成体時の目安体重が11Kg〜24Kgまでの犬種を「中型犬」としてご紹介しています。