ウィペットについての「特徴」や「飼う時のポイント」などをご紹介!
ワンダフルライフでは、これから犬を飼ってみたいとお考えの方も、既に愛犬と暮らされている方にも楽しんでもらえるように日々、犬種情報の更新に努めてまいります!
英語表記 | Whippet |
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原産国 | イギリス |
体高 | オス:48-56cm メス:46-53cm |
体重 | オス:9~18kg メス:9~18kg |
スラリとした体型と、品のある顔立ちで人気の中型犬ウィペット
ジャパンケネルクラブが発表する「犬種別犬籍登録頭数」でも常に上位にいる人気の犬種です。
今回はウィペットの歴史、性格、賃貸物件で飼育する際のしつけ方、気をつける病気と予防方法まで詳しくご紹介します。
【外見上の特徴】
ウィペットはイギリル原産のサイトハウンド犬と言われる猟犬の一種です。
スラリとした体躯と俊足が鞭「whip」のようだったことからこの名前がついたと言われています。
そのスマートな体を生かした俊足が特徴で、一気に最高速度にもっていける加速力と、すばやく体をひねって方向転換をする俊敏さを兼ね備えています。
ダブルサスペクションギャロップ(前脚と後脚を揃えて動かし、背中を使って走る走法)ができるほど、しなやかな上半身とパワフルな後脚、臀部を持っています。
耳は基本的に垂れていますが、緊張するとピンっと直立し、細長い尻尾は動いているときに上向きにカーブを描くのもこの犬種ならではの特徴です。
被毛はきめ細かく滑らかな短毛で抜け毛は少なめ、毛色は「グレー」「タン」「薄い金色」などが多いです。
従順で飼いやすい性格と、映画の犬のような躍動感にあふれた走り方に魅了される方が多く、「かわいい」と言うよりは「カッコいい」犬種ですね。
ウィペットのルーツは17世紀ごろにイギリスで作出された中型のグレイハウンドと言われています。
農夫たちがウサギや他の小さな害獣を退治するため、共同で貴族からイングリッシュ・グレイハウンドを買い寄せ、改良を加えて小型化させることに成功しました。
19世紀になるとこの犬種に更に改良が加えられ、より小型の犬種や、ネズミ捕りに長けていたテリア系と交配させ、素早く獲物を追う力を持った現在のウィペットが誕生したのです。
この「貧しい農民の狩猟犬」だったウィペットは産業革命期にその役割が大きく変わります。
産業革命により、地方の農夫たちは工業化された地域に移り住むようになり、それに伴ってウィペットも都市部で飼育されるようになったのです。
工業地帯の人々の間で、犬に布切れを追いかけさせるレースが大流行し、俊足を持つウィペットはこのレースで大活躍しました。
こうしてウィペットは貧しく、馬を使った競馬に参加できない坑夫達の「競走馬」となっていったのです。
少しかわいそうにも思えますが、レースの結果によってウィペットは飼い主に大きな収入をもたらすこともあったので、非常に大切に飼育されたそうです。
その後、しなやかさ、優雅さ、上品さ、社交性、を備えたウィペットは家庭犬として注目を集めるようになり、熱心な愛好家も増えていきました。
現在ではもっとも人気のあるサイトハウンドのひとつとして、ショードッグとしてはもちろん、レース犬、そして、家庭犬としても非常に評価の高い犬種となっています。
【性格の特徴】
ウィペットは元猟犬ですが、攻撃性は低く、とてもおとなしくフレンドリーな性格をしています。
それでいて飼い主へは従順で、指示を良く聞く猟犬のメリットは残しており、とても飼育がしやすく、献身的で物静かな家庭犬が欲しいと思う人に理想的な犬種です。
警戒心は強めで、常に周囲を伺う神経質な部分があり、見知らぬ人には懐きにくいです。
注意点として、噛む力がとても強いので噛み癖がある場合はしつけて治しましょう。
ウィペットのしつけで気をつけなくてはならないのが、「叩かないこと」と「叱りすぎないこと」です。
この犬種は非常にナイーブな性格をしており、きつく叱りすぎたり、怖い思いをさせると精神的にまいってしまうことがあります。
「褒めて伸ばす」しつけが向いている犬種ですので、しつけ方には気をつけましょう。
またレース犬ということからもわかるように走ることが大好きな犬種です。
十分な運動をさせないとストレスを溜め込んでしまい、攻撃的な性格になりやすいです。
【賃貸物件で生育する時の注意点】
ウィペットはとてもおとなしく、しつけの難度も低めです。
サイズさえ問題なければ賃貸マンションやアパートなどの集合住宅で飼育するのに最適な犬種です。
抜け毛も少なく、犬臭さもないため、都市部のマンションでも飼育されている方が非常に多い犬種です。
伸び伸びできるスペースを好むので、広めのお部屋がベストです。
気をつけなくてはならないポイントの一つが「寒さ対策」です。
ウィペットは非常に毛が短い犬種なので、保温性が低く寒さに弱いため、必ず室内で飼育し、温かくて柔らかい寝床を用意してあげてください。
冬場の外出時は服を着せてあげることも忘れないでください。とにかく防寒が大事な犬種です。
次に気をつけなくてはならないことが「運動不足」です。
前述のようにウィペットは走ることが大好きな犬種です。
そのため毎日1時間程度の散歩を2回は必ず行い、全力で走らせてあげることを忘れないようにしましょう。
もし、散歩コースの問題などで走る場所がない場合は定期的にドッグランに連れて行ってあげると良いでしょう。
ドッグランで他の犬と触れ合うことは社会性を身につけ性格のいいウィペットになりやすいというメリットもあります。
なお、ウィペットはあまりペットショップなどでは見かけない犬種で、一般的にはブリーダーさんからの直接買い付けになることが多いです。
ウィペットの子犬の値段は大体15万円~25万円程度で、しかもなかなか手に入りづらいこともあります。飼い始めるまでのハードルが少し高めの犬種と言えますね。
「寒さ対策」と「真面目な運動」この二つをしっかりと守れる方であれば、ウィペットは賃貸物件で飼育するのに向いている犬種の一つと言えると思います!
ウィペットは遺伝的に特にかかりやすい病気も少なく、12年〜15年程度生きる長生きの犬種です。
それでも、気をつけたい病気が「皮膚炎」と「口蓋裂」です。特に皮膚炎は住環境に起因するので注意しましょう。
主に、ダニや菌による皮膚感染症とアトピーなどのアレルギー性皮膚炎に分けられます。
強いかゆみを引き起こすので、犬が我慢できず噛んだり舐めたりして化膿が進み、なかなか根治しないことが多いです。
皮膚炎の原因は非常に多岐にわたるため、一概に「皮膚炎の予防」というのは難しい部分があります。
いずれにせよ、健康な皮膚維持することが重要です。
そのために、タンパク質や脂肪などバランスのとれた食事を与えること、ダニやホコリの出にくい清潔な住環境を作ることが大切です。
また、アレルギーは後天的に発生する場合もあるため、シャンプーや食べ物が合わないことでアレルギーを起こすこともあるので注意しましょう。
こんな症状が見られる場合は、皮膚炎の場合が多いため、日々の些細な変化に気を配りましょう。
この病気になってしまうと、痒くてたまらないのでその箇所を噛んだり、舐めたりして、化膿が進み、最悪の場合は免疫力自体が低下し、より重大な病気に感染する可能性も出てきます。
治療は主に投薬と食事療法になりますが、前述のように犬は噛んだり舐めたりするので、なかなか治りづらく長期化するケースも少なくありません。
ワンダフルライフでは、成体時の目安体重が11Kg〜24Kgまでの犬種を「中型犬」としてご紹介しています。